あなたの相続、大丈夫? 実は知らないと損をする「相続リテラシー」の落とし穴
「相続? まだまだ先の話でしょ?」「うちは財産なんてないから関係ないよ」
そう思っていませんか? 確かに、相続は誰にでも起こることですが、普段の生活で意識することは少ないかもしれません。しかし実際には、相続は私達の想像以上に複雑で、早めの準備が非常に重要になります。「うちは大丈夫」と思いがちなご家庭こそ、実は落とし穴にハマっている可能性があるのです。
円滑な相続のために。まず「相続リテラシー」を高めよう!
円満な相続を実現するためには、正しい知識、すなわち「相続リテラシー」が欠かせません。MUFG相続研究所所長の入江誠氏も、「相続リテラシーの向上は、円滑な相続を実現するために不可欠」と述べています。(参考サイト:日本経済新聞 | 相続リテラシーはどのレベル? チェックリストで確認を)
相続リテラシーとは、相続に関する基礎知識や法律、手続きなどを理解し、適切な判断や行動ができる能力のこと。相続は、単に財産を受け継ぐということではなく、故人の想いを継承し、家族の未来を築いていくための大切なプロセスと言えます。
あなたは大丈夫? 意外と知らない「相続の基礎知識」チェック!
まずは、ご自身の相続リテラシーがどの程度か、簡単なチェックリストで確認してみましょう。
【リテラシー分類】
相続リテラシー⾼:チェック数(知っている) が6以上
相続リテラシー中:チェック数(知っている) が2〜5
相続リテラシー低:チェック数(知っている) が0〜1
【 POINT 】
- 相続人は配偶者と子供だけだと思っていませんか?
- → 実は、兄弟姉妹も含まれる可能性があります。
- 遺言書があれば、必ずその通りに相続されると考えていませんか?
- → 一定の条件を満たす相続人には、遺言の内容に反して、一定割合の財産を相続する権利「遺留分」があります。
- 相続税は、すべての相続でかかるものだと思っていませんか?
- → 相続財産の額や相続人の数によっては、相続税がかからないケースもあります。
いかがでしょうか? 相続には、私たちの思い込みとは異なる点が意外と多いことに気づかれたのではないでしょうか。
実は落とし穴がいっぱい!? 知らないと損をする相続の意外な落とし穴
相続リテラシーの現状について、MUFG相続研究所の調査結果を見てみると、多くの人が「相続税の基礎控除」については知っていると回答している一方で、「遺産分割協議が整わないと相続財産は相続人全員の共有状態となり、事業や生活に支障を来る可能性がある」「法定相続分はあくまでも目安であり、保証されているものではない」といった、より実務的で重要なポイントについては、理解が不足しているという結果が出ています。
相続税の基礎控除は確かに重要ですが、実際に相続税の課税対象となるのは、亡くなった方の1割未満と言われています。むしろ、遺産分割協議の不一致や法定相続分の誤解によって、深刻なトラブルに発展するケースが多いのです。
例えば、兄弟間で相続財産の評価額でもめたり、法定相続分で納得がいかず、長年、親交の深かった兄弟姉妹が絶縁状態になってしまうケースも少なくありません。
より良い相続リテラシー尺度を目指して
円滑な相続を実現するために、現状の相続リテラシー尺度を見直し、より実務的で、網羅的なものへと進化させる必要があると考えています。
三菱UFJ信託銀行MUFG相続研究所の2023年の調査では「相続リテラシーの状況の推定を試みたもの」とあるように、これはあくまでも暫定版であり、より良い相続を実現するためには、相続リテラシーをより適切に反映したチェックリストにしていく必要があると言えるでしょう。
例えば、経験上、下記のような項目も網羅することで、人々が抱える相続問題をより的確に捉え、適切な対策を立てることができるようになると信じています。
- 生命保険の落とし穴: 生命保険金は、受取人固有の財産となるため、相続税の対象外となる場合が多いですが、高額な保険金や受取人指定の方法によっては相続税の対象となることがあります。
- 贈与に関する知識: 生前に財産を贈与する場合、贈与税がかかります。ただし、法定相続人以外への贈与は相続税の対象となりません。生前贈与は、相続税対策として有効な手段となりえますが、贈与税のルールを理解した上で、計画的に行う必要があります。
- 相続放棄の注意点: 借金など負の遺産が多い場合、相続放棄をすることができます。相続放棄をした人も法定相続人に含まれますが、相続財産を受け取る権利を放棄する代わりに、負債を負うこともなくなります。
- 未成年者の相続: 相続人に未成年者がいる場合、財産を適切に管理するために、家庭裁判所が選任する代理人が必要となります。未成年者が適切な判断能力を持つ年齢に達するまで、代理人が財産管理を行います。
- 配偶者控除と申告: 配偶者控除は、一定の条件を満たす配偶者が相続する場合に適用される税制上の優遇措置です。配偶者控除を適用する場合、相続税がかからなくても相続税の申告が必要となるケースがあります。
- 不動産の共有登記: 不動産を複数人で分割する場合、代表者一人の名前で登記することができます。共有者全員の名前で登記するよりも、手続きが簡素化され、管理もしやすくなるというメリットがあります。
あなたの大切な家族を守るために。 専門家による適切なサポートのススメ
相続は、人生における大きな転換期であり、複雑な手続きや感情的な問題が絡み合い、ご自身だけで解決することは容易ではありません。
私はこれまで、税理士として、数多くの相続に直面する家族を見てきました。相続をきっかけに家族の関係が崩れてしまう悲しい現実もありました。相続は、人生の複雑な問題と感情が絡み合い、決して手続きや税金の話だけにとどまりません。
だからこそ私は、「相続で笑顔になる人を一人でも増やしたい」、その一心で、日々、依頼者様の心に寄り添いながら業務に取り組んでいます。相続について、少しでも不安を感じたら、一人で抱え込まず、ぜひ私たち専門家に相談してください。
私たちは、豊富な知識と経験に基づき、皆様の状況に合わせて、最適なアドバイスとサポートを提供いたします。
専門家による無料相談をご利用ください
当事務所では、相続税に関する無料相談を実施しております。路線価上昇による相続税への影響が気になる方、相続税対策について詳しく知りたい方など、どうぞお気軽にご相談ください。経験豊富な専門家が、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なアドバイスをさせていただきます。
予約受付専用ダイヤルは0120-339-719になります。
お気軽にご相談ください。
著者情報
-
「税理士業はサービス業」 をモットーに、日々サービスの向上に精力的に取り組む。
趣味は、筋トレとマラソン。忙しくても週5回以上走り、週4回ジムに通うのが健康の秘訣。
最新の投稿
- 2024年10月21日お知らせ相続税のカギ!?基準年利率をわかりやすく解説!
- 2024年9月26日お知らせ公正証書遺言と自筆証書遺言、どちらを選ぶ?違いを徹底比較
- 2024年9月9日お知らせ相続・不動産の悩みを解決!2024年秋の無料相談会のお知らせ
- 2024年8月23日コラム相続した土地、国に返還したい…でもちょっと待って!その前に確認!
お知らせの最新記事
- 相続税のカギ!?基準年利率をわかりやすく解説!
- 公正証書遺言と自筆証書遺言、どちらを選ぶ?違いを徹底比較
- 相続・不動産の悩みを解決!2024年秋の無料相談会のお知らせ
- 愛知県民必見!路線価上昇で相続税リスクが高まっている?
- 国庫帰属、本当に最後の手段?あなたの土地に眠る「意外な価値」を見つける方法
- 36.7%が経験する相続の後悔…終活における家族間のコミュニケーションの大切さ
- 一人暮らしの高齢者も安心!名古屋市「あんしんエンディングサポート事業」のご紹介
- 相続についての難解な用語をサクッと解説
- 相続の「かかりつけの税理士」を目指して
- 日本の相続税の特徴と国際比較
- 所有者不明土地問題の解決に向けた改正登記制度の概要と影響
- 相続手続きの複雑さ・大変さを克明に描いたNHKの相続手続き体験談のご紹介
- 実は9割の相続税申告、土地評価に強い税理士に依頼した方が良い理由
- 相続税・家族信託 無料セミナー・相談会 11/13(水) 大垣共立銀行本山支店
- 8月24日・25日相続セミナー・相談会を開催いたしました
- 遺産相続・遺言・終活無料相談会 5/19(日) 名古屋市千種区見付コミュニティセンター
- 遺産相続・遺言・終活無料相談会 3/17(日) 名古屋市名東生涯学習センター
- 遺産相続・遺言・終活無料相談会 1/20(日) 名古屋市守山生涯学習センター
- 相続税・遺言無料相談会 11/4(日) 名古屋市中川生涯学習センター
- 【Q&A】土地の相続をしたいです。何から始めればいいでしょうか?
- ホームページをリニューアルオープンいたしました!
コラムの最新記事
- 公正証書遺言と自筆証書遺言、どちらを選ぶ?違いを徹底比較
- 相続した土地、国に返還したい…でもちょっと待って!その前に確認!
- 愛知県民必見!路線価上昇で相続税リスクが高まっている?
- 国庫帰属、本当に最後の手段?あなたの土地に眠る「意外な価値」を見つける方法
- 36.7%が経験する相続の後悔…終活における家族間のコミュニケーションの大切さ
- 一人暮らしの高齢者も安心!名古屋市「あんしんエンディングサポート事業」のご紹介
- 相続についての難解な用語をサクッと解説
- 相続の「かかりつけの税理士」を目指して
- 日本の相続税の特徴と国際比較
- 所有者不明土地問題の解決に向けた改正登記制度の概要と影響
- 相続手続きの複雑さ・大変さを克明に描いたNHKの相続手続き体験談のご紹介
- 実は9割の相続税申告、土地評価に強い税理士に依頼した方が良い理由
- 【負動産】とは何か?その問題と解決策 | 名古屋相続税無料診断センター
- 【相続税の計算】自分で簡単にできる方法を税理士が分かりやすく解説
- 【相続税】専門税理士がむずかしい言葉を分かりやすく説明する件
- 【相続対策】節税だけでない、事前に必要な4つの対策
- 【最重要】相続税がゼロでも相続税申告が必要な件
- 【これで納得】相続税のお尋ねがきたときの対応方法
- 【事実】相続人に未成年者がいる場合の遺産分割の手続き
- 【最重要】相続が起こる前に抑えておきたい相続税の基礎控除
- 【名古屋市千種区:相続相談/配偶者居住権で将来の相続に備える】
- 名古屋市 相続税専門税理士 申告の現場より。タンス預金に注意!!
- 法律を知って得する「家なき子特例」その5
- 法律を知って得する「家なき子特例」その4
- 法律を知って得する「家なき子特例」その3
- 法律を知って得する「家なき子特例」その2
- 法律を知って得する「家なき子特例」その1