現金が少ない場合の遺産分割の解決事例

ご相談いただいた際の状況

家族・財産状況について

父親が亡くなったということで、息子にあたる方が相続のご相談にいらっしゃいました。

被相続人(亡くなった方):お父様
相続人(財産を相続する方):配偶者(奥様)・長男・次男

相続財産としては、すべて合わせて7000万円前後ありました。
具体的には自宅と預貯金、そして財産の大半を有価証券が占めている状況でした。

ご相談者様からの相談内容

当初のご相談では、相続手続きはご自身で進められていましたが、相続税が発生するかかどうか心配で相談に来られました。

その中で、名古屋相続税無料診断センターの専門家による相続税試算を行ったところ、配偶者控除と小規模宅地の特例で相続税は発生しない状況でしたが、特例によるものではあるため、相続税申告自体は必要な状況でした。

また相続人には有価証券に興味がなく、株式を分割した場合、それぞれの口座を作成する必要がありましたが、面倒なのでしたくないという考えをお持ちでした。

ご相談者様のお悩みについて

1.相続税申告の作成・提出

2.相続人が望む形での有価証券の相続

 

お悩みに対しての当センターからのご提案

1.当センターで相続税申告の作成・提出をサポート

今回は配偶者控除や小規模宅地の特例などを用いたことによって、相続税が発生しないため、控除や特例を活用するために相続税申告書の作成・提出自体は必要となっています。

そのため、名古屋相続税無料診断センターの相続専門税理士による相続税申告書の作成をサポートする事をご提案させていただきました。

2.有価証券に関する代償分割のサポート

有価証券に関しては、相続人がそのままの相続を望まないため、お金での相続をする必要がありました。

そこで有価証券を代償分割することで、1人が株式を相続して、その株式を売却して、その売却代金を相続することができるため、代償分割を活用することをご提案させていただきました。

 

ご提案後の結果

1.相続税申告の作成・提出を実施

2.代償分割を用いた遺産分割の実施

代償分割については、代償金をいくらにするかを議論する必要があり、相続開始時か遺産分割時かで株価が変ってくるため、改めて遺産分割協議時の株価で評価を行いました。

併せて株価を基に法定相続分で代償分割金として分割するように遺産分割協議を実施しました。

 

今回の解決事例におけるワンポイントアドバイス

代償分割について

代償分割を行わない場合

それぞれ同じ証券会社の口座を作成して、それぞれ株式を相続する方法があります。

代償分割をする場合のデメリット

株価が一次的に下落していて、将来的に上昇する見込みがある中でも売却する必要があります。

代償金については、コロナショックで相続開始時は株価が下落しており、代償金が下がってしまっている状況でした。

大きく乖離をしている場合、特定の相続人(株式を取得した人など)が得をしてしまい、トラブルのきっかけになるケースがあり、当初の法定相続分の分割ができなくなってしまう可能性があります。

そのため、今回は回復している遺産分割時で判断を行いました。

自分で行った場合との比較

各種特例を知っているかどうか(小規模宅地の特例&配偶者控除)

ご相談者の中には”相続税がかからない”ので、”相続税申告をしないでいい”と思っているケースがありますが、特例や控除を使用する場合には、使用するための申告が必要となりますので、結果的には相続税申告が必要となります。

またそれぞれ特例や控除が使えるのかどうかの判断を常に専門家は考えていますので、是非1度ご相談してみてください。

株式評価(どちらのタイミングで評価をするか)

株式の評価を行う際には、亡くなったタイミングか遺産分割のタイミングかによって評価額が変わってくることがあります。

状況によっては、有利不利が起きてしまうことになりますので、専門家に1度相談することをおすすめします。

 

著者情報

佐治 英樹(さじ ひでき)
佐治 英樹(さじ ひでき)税理士(名古屋税理士会), 行政書士(愛知県行政書士会), 宅地建物取引士(愛知県知事), AFP(日本FP協会)
「税理士業はサービス業」 をモットーに、日々サービスの向上に精力的に取り組む。
趣味は、筋トレとマラソン。忙しくても週5回以上走り、週4回ジムに通うのが健康の秘訣。
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