不動産の契約を結んだ後に相続が発生した場合の不動産の評価

公開日 2020年10月22日 最終更新日 2023年10月25日

ご相談いただいた際の状況

家族・財産状況について

親が亡くなったということで、長男にあたる方が相続のご相談にいらっしゃいました。

被相続人(亡くなった方):お父様
相続人(財産を相続する方):配偶者(奥様)・長女・長男

相続財産としては、すべて合わせて1億円前後ということで、不動産に関しては、自宅以外に自用地が3か所、その他に預貯金や有価証券があるといった状況でした。

ご相談者様からの相談内容

相続財産の状況は、ある程度把握されていましたので、ご相談者様自身で相続税申告が発生することは分かっており、自身で進めている中でやり方が合っているのか不安な様子でした。

3つある自用地のうち、1か所をお父様が売却する予定で、売買契約を進めている最中に亡くなってしまったとのことで、中途半端な状態になっている土地の扱いに関しての相談でした。

ご相談者様のお悩みについて

1.相続税申告の作成・提出

2.売却契約を進めている土地の評価の仕方

3.売却契約を進めている土地の売却申告の仕方

 

お悩みに対しての当センターからのご提案

1.当センターで相続税申告の作成・提出をサポート

特に売却を行っている土地を含めて、土地の評価を間違ってしまった場合、過小評価によるペナルティを受ける可能性があり、相続税の増額や税務調査につながるリスクがありました。

そのため、名古屋相続税無料診断センターの相続専門税理士による相続税申告書の作成をサポートする事をご提案させていただきました。

2.売却契約が途中となっている土地の手続きサポート

売却予定の土地については、路線価などでの相続税評価ができない為、相続税申告上には不動産ではなく、残代金請求権という扱いになり、売却金額が相続税申告上での評価額となります。

このようなことは、多くの相続税申告に対応してきた相続専門の税理士でないと判断できないようなポイントですので、売却契約が進んでいる土地の手続のサポートをご提案させていただきました。

 

ご提案後の結果

1.相続税申告の作成・提出を実施

2.売却契約を行っていた自用地の手続サポートを実施

実際にご自身で進めていた申告書をチェックさせていただいたところ、売却契約を進めていた自用地を路線価での評価を行っており、過小評価している状況でした。

そのため、当センターの税理士により正しい評価を行い、売却金額を相続税申告上での評価額として、算出いたしました。

また売却の申告については、譲渡所得の申告上で得になるのは、契約ベース(被相続人)での申告を行う方法ですので、より相続人にとって得になる形となりました。

 

今回の解決事例におけるワンポイントアドバイス

残代金請求権について

残代金請求権とは、売買契約によって、買主から売主に本来支払われるものでしたが、相続が発生してしまったことにより未払いとなっているもののことを指します。

例えば、5,000万円で相続税評価額が3,000万円の自用地について、売買契約を結んだ後に手付金500万円をもらった後に契約を結んでいた方がなくなってしまった場合、相続税の課税対象とされるのは、売却の対象となった自用地の評価額3,000万円ではなく、手付金となっている500万円と残代金請求権4,500万円となります。

そのため、相続税評価額となっていた3,000万円で評価をして、申告書を提出した場合、過少申告となってしまいますので、ペナルティとして相続税の増額と税務調査が発生してしまいます。

 

著者情報

佐治 英樹(さじ ひでき)
佐治 英樹(さじ ひでき)税理士(名古屋税理士会), 行政書士(愛知県行政書士会), 宅地建物取引士(愛知県知事), AFP(日本FP協会)
「税理士業はサービス業」 をモットーに、日々サービスの向上に精力的に取り組む。
趣味は、筋トレとマラソン。忙しくても週5回以上走り、週4回ジムに通うのが健康の秘訣。
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