【名古屋市昭和区:小規模宅地の特例②】居住用宅地が2か所以上ある場合
ご相談者
・妻
被相続人
・夫
相続人
・妻、長男、次男、三男
相続財産額
・土地建物3,000万・預貯金3,500万、有価証券4,500万
ご相談内容
夫と妻が別々に住んでいましたが、小規模宅地はどのように適用できるのでしょうか?
ご主人が亡くなり、相続人は奥様と長男、次男、三男の4人でした。被相続人は生前病院通いのために奥様とは別の居所で生活をしていました。相続財産は夫の自宅土地建物、妻が住んでいた自宅マンション、上場株式、預貯金などがありました。
遺産分割協議で妻が夫及び自分が住んでいた土地建物と有価証券の一部と預金全てを相続し、三男は有価証券の残りを相続、長男と次男は何も相続しないことで話がまとまりました。
今回の相続で小規模宅地の特例が使えるのは夫が住んでいた居宅か妻が住んでいたマンションかという相談内容でした。
ご提案
小規模宅地の特例は、330㎡を限度として両方の土地に適用できることをアドバイス
居住用宅地に対する小規模宅地等の評価減の特例は、被相続人が居住していた家の敷地のうち330㎡までの部分について、相続税の税額計算の基礎となる評価額が減額できるものです。
特例を適用するための要件は、誰がその敷地を相続するかによって変わります。
配偶者が小規模宅地等の特例を適用するには
配偶者の場合は、相続するだけで適用できます。
相続した後に売却したり賃貸に出したりしても取り消されることはありません。
同居の親族が小規模宅地等の特例を適用するには
同居の親族が相続する場合は、相続した土地を相続税の申告期限(通常は被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内)まで保有し、かつそこに居住していれば適用できます。
その他の親族が小規模宅地等の特例を適用するには
その他の親族が相続する場合は、被相続人に配偶者や同居の親族がいないことが適用の条件となります。
それ以外に、土地を相続した親族は、相続の3年前までに自分の持ち家または自分の配偶者の持ち家に住んだことがなく、相続した土地を相続税の申告期限まで保有することが必要です。
申告期限までに小規模宅地等の特例の適用を受ける宅地の遺産分割が決められなかった場合は
また、相続税の申告期限までに誰がその敷地を相続するかを決めておくことも必要です。申告期限までに決められなかった場合は、一度特例を適用せずに申告しますが、3年以内に税額計算をやり直すことで、特例を適用することができます。
複数の居住用宅地がある場合に小規模宅地等の特例を適用するには
1軒家がある土地を複数相続した場合、小規模宅地等の評価減の特例が適用できるかどうかについて、事例ごとに解説します。以下の事例では、相続人は特例を適用するための要件を満たしているものとします。
(1) 被相続人が家屋Aと家屋Bを保有し、双方の家を行き来していた場合
被相続人が家屋Aと家屋Bを保有していて、双方の家を行き来していたとしても、同時に複数の家に居住していたとはみなされません。被相続人は家屋Aか家屋Bのどちらか片方に主として居住していたと判断します。したがって、居住していないとみなされた家屋について特例は適用できません。
【例】被相続人は、主として家屋Aに居住し、週末などは家屋Bに滞在していた場合。
家屋Aの土地:特例が適用でき、330㎡までの部分について評価額を80%減額できます。
家屋Bの土地:特例は適用できません。
(2) 家屋Aには被相続人が居住し、家屋Bには同一生計の親族が居住していた場合
居住用の宅地に対する小規模宅地等の評価減の特例は、被相続人が居住していた家の敷地のほか、被相続人と同一生計の親族(例:高齢の親や大学生の子など)が居住していた家の敷地についても適用できます。
被相続人が家屋Aと家屋Bを保有していて、家屋Aには被相続人が居住し、家屋Bには同一生計の親族が居住していた場合は、家屋Aの土地と家屋Bの土地をあわせて330㎡までの部分について特例が適用できます。
【例】家屋Aには被相続人が居住し、家屋Bには同一生計の親族が居住していた場合。
家屋Aの土地、家屋Bの土地ともに特例が適用できます。両方あわせて330㎡までの部分について評価額を80%減額できます。このとき、1㎡あたりの評価額が高いほうの土地を優先して適用すると、全体の評価額を抑えることができます。
(3) 家屋Aに居住して、家屋Bを貸していた場合
家屋Aと家屋Bを保有していた被相続人が、家屋Aに居住して、家屋Bを貸して貸付事業を営んでいた場合は、家屋Aの土地には居住用宅地の特例を適用し、家屋Bの土地には貸付事業用宅地の特例を適用することができます。
貸付事業用宅地の特例は200㎡までの部分について、評価額を50%減額できるものです。相続した土地を相続税の申告期限まで保有するほか、貸付事業を引き続き営むことが特例適用の要件となります。
居住用宅地の特例と貸付事業用宅地の特例を併用する場合は、定められた算式で調整した範囲内の面積でしか適用することができないので注意が必要です。
【例】家屋Aに居住して、家屋Bを貸して貸付事業を営んでいた場合。
家屋Aの土地:居住用宅地の特例が適用でき、評価額を80%減額できます。
家屋Bの土地:貸付事業用宅地の特例が適用でき、評価額を50%減額できます。
この場合、特例が適用できる面積は、下記の数式の範囲内となります。
家屋Aの土地の面積(㎡)×200÷330+家屋Bの土地の面積(㎡)≦200㎡
居住地宅地が2か所以上ある場合、小規模宅地の特例をどのように利用できるかは、被相続人の生前の利用状況や取得者によって変わってきます。
専門家が利用状況などをヒアリングし、どの方法がお客様にとって最善かをご提案させていただきます。ご不明な点がある場合はすぐに専門家へ相談することをお勧めします。
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著者情報

- 税理士(名古屋税理士会 登録番号_113665), 行政書士(愛知県行政書士会 登録番号_11191178), 宅地建物取引士(愛知県知事), AFP(日本FP協会)
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「税理士業はサービス業」 をモットーに、日々サービスの向上に精力的に取り組む。
趣味は、筋トレとマラソン。忙しくても週5回以上走り、週4回ジムに通うのが健康の秘訣。
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