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亡くなった家族の財産はどう探す? 3つの現行手がかりと「みらいたすく」の現在地

最終確認日: 2026-04-19

相続財産調査の進め方。通帳、固定資産税通知書、保険証券といった「いま使える手がかり」の整理を優先し、「みらいたすく」で現在地を確認することを伝える、温かいペーパークラフト風の解説図。
財産探しの第一歩:いま使える3つの手がかりと「みらいたすく」の役割

本記事は、不動産と預貯金の見つけ方を中心に整理したものです。有価証券や保険については、別途確認のお手続きが必要になることがあります。

目次

「大切な家族が残してくれた財産が、どこにどれだけあるのか分からない」といったご相談は、実は少なくありません。今すぐ活用できる主な手がかりとして、法務局の「所有不動産記録証明制度」、市区町村の「名寄帳(なよせちょう)」、そしてマイナンバーを活用した「相続時口座照会」の3つがあります。一方で、ニュースなどで話題になった金融業界横断のサービス「みらいたすく」はこれから始まる仕組みであり、今のところはまだ相続のお手続きには使えません。

この記事では、不動産と預貯金の見つけ方を中心に、今すぐ使える手段と、これから始まる仕組みの違いを分かりやすく整理しました。何から始めればよいか迷っている方の、最初の一歩としてお役立てください。

まず押さえたい結論

相続財産を見つけるには、1つの制度だけで全てが分かるわけではありません。たとえば不動産の場合、まずは法務局の「所有不動産記録証明制度」で亡くなった方名義の不動産を一覧にし、その後に市区町村の「名寄帳」で詳しい場所や評価額を確認する、といった役割分担をするとスムーズです。預貯金については、亡くなった方が生前に口座へマイナンバーを紐づけて(付番して)いれば、「相続時口座照会」を利用してどこの金融機関に口座があるかを確かめることができます。

一方で、「みらいたすく」は将来的に手続きを一つにまとめることを目指す構想です。現時点ではこのサービスの開始を待つよりも、今使える仕組みを活用して進めていく方が現実的といえます。

制度を利用する前に、お手元の資料をざっと確認します

公的な仕組みを利用する前に、まずは手元にある資料をざっと見直してみましょう。これだけで、財産を見つける精度がぐっと上がります。たとえば、通帳、固定資産税の納税通知書、銀行や証券会社から届いた郵便物、保険のご案内、そしてスマートフォンの金融アプリの通知などが大きなヒントになります。

ここで金融機関名や市区町村名といった手がかりが見つかれば、その後の確認や問い合わせもスムーズに進みます。手元の資料だけでは全容が分からない部分を、公的な制度で補っていくイメージを持つと、頭の中を整理しやすくなります。

4つの手がかりの違い

手がかり 主な対象 何が分かるか 現時点の位置づけ
所有不動産記録証明制度 不動産 亡くなった方名義の不動産を一覧で把握しやすくする 使える
名寄帳 不動産 市区町村内の詳しい場所、評価額、固定資産課税標準額など 使える
相続時口座照会 預貯金 マイナンバーが紐づいた預貯金口座がどこにあるか 使える
みらいたすく 銀行・信託・証券などの相続手続き 相続手続きを一つにまとめる将来構想 まだ使えない

大切なのは、「何を確かめるための仕組みか」ということと、「今すぐ使えるかどうか」の違いです。ここを分けて整理すると、次に何をすべきかが見えてきます。

不動産は、法務局と名寄帳を役割分担で使います

所有不動産記録証明制度で、名義のある不動産を一覧にしやすくします

法務省の案内によると、所有不動産記録証明制度は令和8年(2026年)2月2日にスタートした新しい制度です。亡くなった方名義の不動産を把握しやすくし、相続登記の準備にかかるご負担を軽くするための仕組みで、法務局や地方法務局の窓口、またはオンラインで請求できます。書面で請求する場合の手数料は、検索条件1件につき1通1,600円です。

ただし、この制度は請求書に書いた条件をもとに検索されます。登記されている氏名や住所と、検索した条件にズレがあると、うまく見つからないことがあります。お引越し前の過去のご住所や旧姓が関係しそうな場合は、条件の書き方に少し気を配る必要があります。

名寄帳で、市区町村ごとの詳しい場所や評価額を確認します

一方、名寄帳(なよせちょう)は、固定資産税の台帳に登録された土地や建物の情報を、納税する人ごとにまとめたものです。たとえば名古屋市の場合、不動産の所在や評価額、固定資産課税標準額などを確認できます。手数料は1年度・1課税区・1納税義務者ごとに300円かかります。

ただし、名寄帳には非課税の土地や建物は載っておらず、これ自体が公的な証明書になるわけではありません。また、全国の不動産を一度に見つけられるものでもないため、法務局の制度とうまく使い分けるのがおすすめです。

相続時口座照会で確認できること

デジタル庁のよくあるご質問(FAQ)によると、亡くなった方が生前に預貯金口座へマイナンバーを登録(付番)していれば、相続人の方は任意の金融機関の窓口から「相続時照会」を申し込むことができます。一部対象外の金融機関を除き、マイナンバーが紐づけられた口座がどこにあるのかを確かめることができます。なお、マイナポータルから直接申し込むことはできません。

お申し込みの際は、亡くなった方のお名前・ご住所・生年月日が分かる書類や、ご自身が相続人であることが確認できる書類などが必要です。亡くなった方のマイナンバーそのものは不要です。ただし、ご住所の書き方に揺れがあると結果に影響することがあるため、確認書類の通りに正確に記入することが大切です。

今回確認した現在の制度では、あくまで「預貯金口座」の所在を確かめることが中心です。有価証券まで一度に確認できるとは限りません。証券会社や保険会社については、別途それぞれの窓口へお問い合わせいただき、確認を進めていく必要があります。

なお、手数料は金融機関ごとに異なります。たとえば名古屋銀行では、相続時口座照会手数料として1件5,060円をご案内しています。

「みらいたすく」は何が違うのか

株式会社NTTデータを含む10社が2026年4月8日に発表した内容によると、「みらいたすく」は金融業界全体で相続手続きを一つにまとめることを目指す構想です。2026年秋頃に新しい会社を設立し、2027年夏頃に一部の地域で試験的に導入、そして2028年秋頃に全国でサービスが始まる予定となっています。

ご遺族の負担を軽くするという方向性はとても魅力的ですが、今はまだ始まる前の段階です。発表された内容にも、名称や計画は変わる可能性があると記されています。そのため、今すぐ使える制度の代わりとして考えるのではなく、将来の参考情報として捉えておくと安心です。

迷ったときの進め方

相続財産を見つけるための手順を説明したフロー図。1.手元資料の確認、2.所有不動産記録証明制度(不動産)、3.名寄帳(自治体)、4.相続時口座照会(預貯金)、5.税理士相談という、迷いにくい5つのステップを温かいクラフト風のイラストで解説しています。
相続財産調査の5ステップ:手元資料から税理士相談までの進め方フロー図
  1. まずは、通帳、固定資産税の納税通知書、金融機関や保険会社から届いた郵便物など、お手元にある資料を確認する
  2. 不動産がありそうなら、所有不動産記録証明制度を利用して、名義のある不動産を一覧にしてみる
  3. その後に名寄帳を確認し、所在や評価額などを整理する
  4. 預貯金については、マイナンバーの付番状況を踏まえながら相続時口座照会の利用を検討する
  5. それでも全体像がつかみにくいときは、早めに専門家へ相談する

税理士に早めに相談したいケース

制度を使えば手がかりを集めることはできますが、相続財産の全体像を整理し、申告や分け方まで見通すには、早めに専門家へ相談した方がよい場面もあります。たとえば、不動産が複数ありそうなとき、預貯金以外に証券や保険もありそうなとき、あるいは「どこまで調べれば十分なのか」が分からず手が止まってしまったときです。

また、資料を集め始めた段階で税理士へ相談しておくと、「何を追加で確認すればよいか」「どの順番で進めるとよいか」が整理しやすくなります。特に、不動産と預貯金の両方がありそうな場合は、早めに全体の見取り図を作っておくと、その後のお手続きが進めやすくなります。

よくあるご質問

Q1. 今、親が亡くなったばかりです。最初に何を使えばいいですか?

不動産は、まず法務局の「所有不動産記録証明制度」で全国の不動産を探し、その後に「名寄帳」で役所ごとの詳細を確認するのが分かりやすいです。預貯金は、親御さんがマイナンバーを登録していれば「相続時口座照会」が使えます。

Q2. 不動産を探すとき、「名寄帳」と「法務局の制度」のどちらか一つではダメですか?

一つだけでは不十分です。法務局の制度は「全国を探す」のに向いており、名寄帳は「その町の評価額などを詳しく知る」のに向いています。調べているデータが違うので、両方使うのが一番安全です。

Q3. 「相続時口座照会」を使えば、株(証券口座)も分かりますか?

分かりません。この制度は主に「預貯金の口座」を探すものです。証券口座を探すには、自宅に届いている郵便物や取引のハガキなどを手がかりにする必要があります。

Q4. 税理士さんに相談するとき、何を持っていけばいいですか?

通帳、キャッシュカード、証券会社や保険会社からの郵便物、毎年来る固定資産税の通知書など、財産の手がかりになりそうなものをひと通りお持ちください。「どこに何がありそうか」が分かる資料があるだけで、お話がとてもスムーズに進みます。

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    参考文献

    [1] 法務省「所有不動産記録証明制度について」
    https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00740.html

    [2] 法務省「不動産登記の電子申請(オンライン申請)について」
    https://www.moj.go.jp/MINJI/minji72.html

    [3] 名古屋市公式「名寄帳(土地・家屋)の閲覧(写しの交付)の申請」
    https://www.city.nagoya.jp/kurashi/zeikin/1007927/1011872/1033715.html

    [4] デジタル庁「預貯金口座付番制度」
    https://www.digital.go.jp/policies/numbering-on-accounts

    [5] デジタル庁「よくある質問:預貯金口座付番制度について」
    https://www.digital.go.jp/policies/mynumber_faq_09

    [6] デジタル庁「預貯金口座付番制度等の拡充について」
    https://www.digital.go.jp/news/dd6aa934-b132-4438-bed8-b6f86f0e37d8

    [7] 名古屋銀行「その他手数料」
    https://www.meigin.com/tesuryo/other.html

    [8] 日本経済新聞「相続手続き、銀行・証券大手7社が一括対応 隠れ口座も照会可能に」
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB015BU0R00C26A4000000/

    [9] 共同通信配信「相続手続き一元化へ新会社」
    https://www.oanda.jp/lab-education/market_news/kn_2026040701001992/

    著者情報

    佐治 英樹(さじ ひでき)
    佐治 英樹(さじ ひでき)税理士(名古屋税理士会 登録番号_113665), 行政書士(愛知県行政書士会 登録番号_11191178), 宅地建物取引士(愛知県知事), AFP(日本FP協会)
    「税理士業はサービス業」 をモットーに、日々サービスの向上に精力的に取り組む。
    趣味は、筋トレとマラソン。忙しくても週5回以上走り、週4回ジムに通うのが健康の秘訣。

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